応援団
おねえちゃんが泣いた。
塾の宿題が出来ない〜と泣いた。
先生に計算がおそい、と叱られたようだ。あと、宿題をしょっちゅう忘れていく。
B4のプリント裏表に書かれた計算問題を塾に出かけるまでのあと15分で仕上げないといけないらしい。
複雑な分数の掛け算がちらと見えた。
無理だ、絶対無理だ。第一私だって記憶があいまいで分数なんて、ええと、ええと。
とりあえず、いっしょにしよか、と言った。
そうしたら、おかあさん、宿題して、と言った。
「えっ、私が?」そらあかん、だいいちまず計算方法を思い出すのに時間がかかる。
ええかげんなこと教えでもしたら、そもそもまずい。
泣いているおねえちゃんはどうやら、自信をなくしているようだ。
私はなまけもので、親から叱られたので(自業自得)、「宿題をせえへんかったのはあんたやろ〜」と言いたい気持ちを抑えて、なぐさめてあげた。
週に4日の塾をこなし、学校の宿題をするだけでもえらい小学生だと思っている。
それに、勉強はきらいではなさそうだ。(私の子どもとは思えない)
計算がおそいのは、自転車に乗る練習と同じで、だんだん出来るようになること。
なにより、ガッツがある。やる気もある(宿題はしないけど)
やれば、できる。
などなど、いっぱい褒めてあげた。
ごまかしではなく、普段思っていることをそのまま言ってみた。
5年生のお姉ちゃんがひざに乗ってきて、だんだん泣き止んできた。
宿題はできなかったけど、先生に出来なかったことを話して見る、と言って、塾に出かけていった。
がんばってるね、おねえちゃん、お母さんはいつでも応援してるで。